誰でも終生、心身ともに健康で過ごしたいものです。
しかし加齢とともに心身の衰えは避けがたいものとなります。身体的な衰えには医療や福祉、介護制度などを利用することになります。そして自らの認識能力が衰え財産管理がおぼつかなくなったときには誰かにそれを委ねることになります。それをするのが成年後見人です。
成年後見人には大きく分けて二種類があります。すでに衰えてしまった人のために(申立てにより)家庭裁判所が選任するのが(法定)成年後見人。予め自分で用意しておくのが任意成年後見人です。
成年後見人の担い手の現状は親族が約8割。残りの2割が第三者後見人です。専門家である第三者後見人のなかで、司法書士は弁護士や社会福祉士よりも多数選任されている実状があります。
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A 法定成年後見人制度
認識能力の程度に応じて、重度=後見、中度=保佐、軽度=補助の三類型があります。
1 後見類型(成年後見人)
一人で簡単な買い物をすることもできない、外にでたら迷子になってしまう、というような程度です。未成年者の親のような立場で本人に代わり
財産管理・契約などを行ないます。
2 保佐類型(保佐人)
簡単な買い物程度はできるが重要な財産を管理・処分するには不安がつきまとう。悪質商法などに騙されてしまう、というような程度です。
保佐人の同意のなかった契約は保佐人から取り消しができます。また一定の重要な財産行為の代理権は家裁の許可により与えられます
(但し、それには本人の同意が必要)。
3 補助類型(補助人)
重要な財産を管理・処分でき得るかもしれないが常に正しい判断ができるかどうかは不安、といった状態です。申立ての範囲内で裁判所が
「取消すことができる重要な財産的行為」をきめます。代理権については保佐類型のときと同様です。
4 申立の手続き
戸籍謄本、住民票、成年後見等の登記がない証明書、破産などがないことの証明書、財産目録とその疎明資料、医師の診断書など。
詳しくはご相談下さい。
5 申立の費用(実費)
印紙代等の実費で数万円ほど。医師の鑑定を要するときは他に 5~10万円が必要です。
6 後見人の費用
交通費、通信費などの実費は本人の財産から支出できます。出納帳をつけます。報酬については、親族後見人の場合は相続人となる立場の方が
なる場合が多い、ということも配慮されてか無報酬の例が多いようです。また後見人は一年に一度、報告書を裁判所に提出しますが、第三者後見人
(職業的専門家)の場合はそれと併せて「報酬付与の申立て」をします。裁判所が本人の財産状況や後見人の一年間の管理状況などを考慮したうえで
本人の財産のなかから支出する額を判断します。財産の額にもよりますが一か月あたり数万~10万円程度でしょうか。
B 任意後見制度
将来自分の認知度が衰えてしまったときに備えて信頼のできる人を予め定めます。その約束を公正証書で契約しておきます。そのほかに、
衰えるまでの「見守り期間」中、重要な財産行為についての代理をしてもらう約束も可能です。なお通常、多くの例では同時に遺言をしています。以上の
ことで「備えあれば憂いなし」という状態になります。(公証人への費用は5~10万円程度ですが、詳しくは公証役場にお尋ね下さい)
いよいよ認知度が低下してしまったときには、後見人の「監督人」を家裁に選任してもらい、監督人と家庭裁判所の監督のもとで、
任意後見がスタートします。

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